実例を元にしたフィクション連載
最近あちこちで医科歯科連携という言葉が走り出し、地域包括支援センターや保健所、市役所の他、医療や介護分野でも歯科と情報共有しましょう!という流れになりつつあります。
介護保険の改定で、ケアマネさんのアセスメントも口腔に関する項目がこれまでより詳細になりました。10月半ばにこの情報が届いた日、知り合いのケアマネさんから早速ヘルプがかかりました。
「歯のことはぜんっぜんわからないから教えて!どう聞けばいいの!何を見ればいいの?」
利用者様の主治医の先生にも一目置かれている超ベテランのケアマネさんをもってしても、歯科は全然わからないのだそうです。
確かに歯科は理解しようとするとかなり難しい分野かもしれません。口腔はあまりにも個人差があり、基礎知識や経験のない人が手探りで情報を集めて支援の方向性を決めるのはとても難しいでしょう。だからといってケアプランを作るにあたって見なかったことにするわけにはいきません。口腔のトラブルは、すぐに命にかかわることはなくても、真綿で首を絞めるようにいずれ生命の根幹にかかわってくることがあります。たった1本の歯がその人のQOLを大きく左右することにもなりかねません。
とはいえ、知識があまりない人にアセスメントをしっかりやりなさいと言ってもハードルはかなり高いですね。私も歯科衛生士科でみっちり学んで今があるわけですが、学生時代の勉強を思い出すと、我ながらよく覚えられたな、と思うほどボリューミーです。それに「他人の口の中を触るなんてよく平気だね」なんて言われることもあるくらい3K?5K?な仕事であることは確かです。
先日は、看取りをされている内科のベテランDr.がとある会議で「体調が思わしくない人は大抵歯がぼろぼろなのよ。僕は口の中を見てもわかんないけど、ひどい状態なのはわかるからとにかく歯を磨きなさいって言うんだけどね。マスクを外すととにかく口臭もすごいんだよ」とお話しされました。私は心の中で
「先生、そこで完結しないで歯医者に行って!と言ってくださいよぉ」
ほとんどの人は内科ならちゃんと行くのに、歯科は後回しにしてしまいがち。だからこそ、主治医から「歯医者に行って!」と声をかけてほしいんです。これぞ医科歯科連携です。そして、かかりつけ歯科医を持つことをおおいに推奨していただきたい。実際に、医療介護専門職の皆さんは、歯科の情報を欲しています。その人の口の中はどんな状態?どうすればいいの?在宅でできることはなんなの?
そして、歯科医院でも医科の情報を欲しています。お薬は?基礎疾患は?禁忌は?
歯科衛生士としてどこから手を付けていいのやらまだ手探りですが、これから口とはなんぞや?というところからケアマネさんとざっくばらんに語り合う予定です。
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