9月1日は、防災の日です。
毎年この時期になると、テレビでも、災害時の心構えや、備品リストについて特集されることが増えますよね。それを見て、非常用持出袋の中身を確認し、必需品を買い足すという方も多いのではないでしょうか?
弊社が拠点を構える九州地方は、ご存知の通り、災害の多い地域でもあります。
2016年の熊本地震、2017年の九州北部豪雨などは、記憶に新しいところでしょう。
私自身、自宅が床上浸水した経験があるため、災害は人ごとではありません。
我が家でも、先日、非常用持出袋の点検を行いました。
大きな文字で「非常用」と書かれたシルバーのリュックから、一つ一つ、中身を取り出しチェックしていきます。
懐中電灯、携帯用ラジオ、軍手、ラップ、レトルト食品、ビスケット・・・。暑さに耐えきれず、白っぽくなったチョコレートを見て、「また今年も、夏前に取り出すのを忘れてしまった」と反省しました。
一口に非常用持出袋と言っても、各ご家庭によって、必要となる中身は、全く異なることでしょう。
特に、小さなお子さんや高齢者のいるご家庭では、備えるべきものが多くなるかと思います。
我が家も、子供が小さい時には、紙おむつやお尻ふき、レトルトの離乳食など、今とは全く違うものが入っていたのを記憶しています。
高齢者のいるご家庭では、杖や補聴器、常備薬など、非常用持ち出し袋の中身が、直接、健康状態に関わってくるものも多いため、万が一に備えてモレのないようにしておきたいですよね。
「入れ歯」非常用持ち出し袋に準備していますか?
高齢者の方が、避難の際に、持ち出すのを忘れて大変苦労した、というものの中に、「入れ歯」があります。
避難所で出される食事といえば、冷えて固くなったおにぎりやお弁当。
入れ歯がなければ食事をとることも難しく、栄養状態が悪化してしまいます。
「入れ歯のないお年寄りが、パンを水でふやかして食べていた」というエピソードを伺った時には、歯科業界に携わる者として、胸の痛くなる思いがしました。
ただでさえ、不自由な思いをする避難所暮らし。十分な栄養が取れない状態が続いては、体力や免疫力も落ちてしまうことでしょう。
東日本大震災被災地では、義歯(入れ歯)利用者の 17.3% が義歯を喪失。入れ歯を喪失した被災者は、口腔の健康が 悪化したというデータが出ています。
出典:東北大学大学院歯学研究科国際歯科保健学分野「東日本大震災による義歯喪失の口腔の健康への影響」
さらに、入れ歯を喪失した人は、入れ歯を喪失していない人と比べ、
「食事をするのが困難だった」
「うまく話 すことが難しかった」
「歯を見せて笑ったり話したりするのをためらった」
「口のことが 原因で不愉快だったりイライラした」
と、すべての口腔の健康に関する質問に対して、良くない結果が出ています。
この結果から、入れ歯の存在が、食事だけでなく精神状態にまで影響を与えていることが見て取れるのではないでしょうか?
また、災害時は水が貴重品となるため、口腔内のお手入れが後回しになりがちです。
だからと言って、お口の中を不潔にしておくと、細菌が増え、虫歯、歯周病、感染症にかかりやすくなります。特に高齢者は免疫力が落ち、口腔内の細菌を気管へ誤嚥(ごえん)することで、誤嚥性肺炎を引き起こす危険が出てきます。
実際に、阪神淡路大震災では、震災後の口腔清掃の不備や、入れ歯の紛失などから、200名以上の方が誤嚥性肺炎で亡くなっているそうです。
このように、高齢者の健康や精神状態と直結する入れ歯だからこそ、いざという時のために非常用持出袋に保管し、災害時にも清潔にお使いいただきたいと思うのです。
非常時の入れ歯の保管方法
そんな、非常時の入れ歯の保管方法について、福岡県大牟田市の
大川歯科医院副医院長 大川伊織先生にお話を伺ってきました。
避難所に訪問診療が入れたとしても、全く0から入れ歯を作るのには時間がかかります。前に使っていた入れ歯があれば、調整して急場をしのぐことができます。
とはいえ、入れ歯は乾燥すると変形の可能性があるため、常に水に浸した状態で保管しなければなりません。
長期保管の場合でも、基本的には乾燥を避けるため水に入れるか、濡れたガーゼなどにくるんで湿った状態で保管する、というのがセオリーかと思います。
ただ、水に浸けっぱなしの入れ歯を、そのまま半年、一年と非常用持出袋に保管しておくことに、抵抗を感じる方も多いでしょう。
さらに、一年間、同じ水の中に浸け置きしておいた入れ歯を、水が貴重な避難所で十分な洗浄も行えないまま、お口の中に入れる気持ちになれるかどうか不安が生じます。
入れ歯をコウキングでコーティングし、そのまま液に入れておくことで長期保管が可能に!
入れ歯が、2つ目3つ目という患者様からは、「入れ歯の処分方法がわからない」というご相談をいただくこともありますが、コウキングがあれば、古い入れ歯も大切な避難用品に早変わりです。
歯科医院にて歯石や汚れを除去し、コウキングでコーティングした入れ歯を、コウキング液とともに保管することで、長期保管が可能。
古い入れ歯を、コウキング液に浸け、食品保存用袋に入れる。さらに水漏れ防止のためプラスチック容器などに保管する。
ただの水では腐ってしまうが、抗菌効果の高いコウキングであれば、非常用持出袋の中での長期保存も可能、とのアドバイスをいただきました。
肉体的、精神的ストレスの多い避難所生活。患者様が少しでも快適に過ごすことができるよう、弊社のコウキングがお役に立てるとは、災害被害を間近で見てきた身にとって、こんなにありがたいことはありません。
もちろん、この入れ歯を使うことなく、毎年この時期に、非常用持出袋から取り出して、入れ歯の点検とコウキング液の交換のために、歯科医院様を訪れていただくことが習慣になってくれたなら、何よりの喜びだなと思うのです。
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