実例を元にしたフィクション連載
先日来院された37歳女性Sさん。数年前から知覚過敏や咬合痛でナイトガード使用中。
几帳面な性格の方です。しばらく落ち着いていた症状がひどくなったと受診されました。
Sさんの状態をSOAPに沿って整理してみます。
現場でしばしば使われるSOAPという記載方法についてお話します。患者さんの状態を
S(subjective):主観的情報
O(objective): 客観的情報
A(assessment): 評価
P(plan): 計画(治療)
の4つの順序で整理すれば治療の必要性や根拠が見えてきて、今後の対応なども明確にすることができるというものです。主に、医療や介護の現場で使われています。誰が見てもわかりやすい内容なので、情報共有にも役立ちます。
【S】2週間くらい前から冷たいものがとにかくしみて、噛んだ時に痛いんです。
【O】臼歯部に楔状欠損あり、視認にて複数箇所にひびを確認。
口腔内の乾燥がみられる。
プラークはほとんどなく歯面は滑沢化。歯肉に擦過傷あり。
ナイトガードの装着感がややきつく咬合は右大臼歯部過高。
頬粘膜と絶縁に圧痕著明。下顎舌側に骨隆起あり。
【A】食いしばりによる知覚過敏と咬合痛の既往あり
・歯肉の擦過傷多数あり歯ブラシの圧が強すぎる
・ナイトガードを装着していなかったことによる症状悪化の可能性あり
・粘膜の圧痕が強く日中も食いしばりをしている可能性あり
【P】・知覚過敏の部位にはHys(知覚過敏)処置としてナノシールを塗布
・就寝時はナイトガードを毎日使用するよう助言
・柔らかめのブラシを使ったTBIを行う
・2週間経過観察をして必要時に楔状欠損部にCR充填を行う
・室内の目につくところに「食いしばり」を思い出すよう張り紙を勧める。
ざっと書いてみましたが、実際にはもっといろいろな聞き取りを行っています。
実はSさん、1か月前に2週間ほどお友達と海外旅行に行った際にナイトガードを持っていくのを忘れたそうです。
仲のいいお友達とはいえ、几帳面なSさんが長期間他人と一緒に過ごしたことはストレスになっていたのかもしれません。私達にまでお土産を買ってきてくださるくらいの心配りの人ですから、実際は気を遣い過ぎていらっしゃるのかも?
ちなみにSさんのナイトガードは、ご本人の希望で定期的にコーティングを施していますので、Sさんの口腔内と同じくいつもぴかぴかです。
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